これからの土地活用ガイダンス ~探そう!あなたの土地の活かし方~ » ホテル投資のメリット&用途 » ホテル投資の利回り相場

公開日: |更新日:

ホテル投資の利回り相場

ホテル投資を検討するとき、多くの方がまず気にするのが「利回りはどれくらいか」という点です。しかし、広告や物件資料に並ぶ利回りの数字は、ホテルのタイプや立地、運営形態によって前提が大きく異なります。同じ「利回り8%」でも、その中身を読み解けなければ投資判断を誤りかねません。

本記事では、ビジネスホテル・都市型(シティ)ホテル・リゾートホテルといったタイプ別の利回り相場の目安と、必ず押さえておきたい「表面利回り」と「実質利回り」の違いを整理します。あわせて、利回りを左右する立地・稼働率・運営形態の3要素を解説し、数字だけに惑わされないための考え方をお伝えします。

ホテル投資の利回り相場をタイプ別に把握する

ホテル投資の利回りは、施設のタイプによって「相場観」が異なります。まずは全体像をつかむために、代表的な3タイプの目安を確認しましょう。ただし、ここで示す数値はあくまで一般的な目安であり、個別の物件や市況によって変動する点にご注意ください。

表面利回りと実質利回りの違いを理解する

利回りには大きく分けて「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。表面利回りは「年間収入 ÷ 物件価格」で計算される単純な指標で、物件資料に大きく掲載されるのは通常こちらです。一方の実質利回り(NOI利回り)は、運営経費や管理費、修繕費、税金などを差し引いた後の収益をもとに算出します。

ホテルは、清掃・人件費・光熱費・OTA(旅行予約サイト)手数料など運営コストが大きい事業です。そのため、実質利回りは表面利回りの「約半分から6割程度」に落ち着くのが一般的とされます。表面利回り8%の物件でも、実質では4〜5%程度になるケースは珍しくありません。判断の際は、必ず実質ベースで収支を見積もることが重要です。

具体的にイメージしてみましょう。物件価格2億円、年間の家賃・宿泊収入が1,600万円のホテルであれば、表面利回りは8%(1,600万円 ÷ 2億円)です。ここから運営経費や管理費、修繕積立、固定資産税などとして年間700万円がかかると、手元に残る純収益は900万円となり、実質利回りは4.5%(900万円 ÷ 2億円)まで下がります。同じ物件でも見る指標によって印象が大きく変わることが分かります。

タイプ別の利回り相場の目安

タイプごとの利回り目安と、その背景にある稼働率の傾向を一覧にまとめました。稼働率は観光庁「宿泊旅行統計調査」(2024年)の業態別データを参考にしています。

ホテルタイプ表面利回りの目安客室稼働率の傾向特徴
ビジネスホテル6〜8%前後約74%と高水準宿泊特化で運営コストを抑えやすく、都市部の安定需要が見込める
都市型(シティ)ホテル4〜6%前後約72%地価が高く利回りは低めだが、資産価値が落ちにくい
リゾートホテル5%前後約54%と変動大高単価を狙える一方、季節変動と維持費の影響を受けやすい

ビジネスホテル(表面6〜8%目安)

宿泊に特化して運営コストを抑えやすく、都市部やビジネス街での安定した需要が見込めるのが強みです。2024年の客室稼働率は業態別で最も高い約74%に達しており、稼働の安定性が利回りを下支えします。ただし土地取得費が高額になりやすく、その分だけ表面利回りが圧縮される点には注意が必要です。

都市型(シティ)ホテル(4〜6%目安)

宴会場やレストランを併設する大型施設が多く、地価の高い一等地に立地するため、利回り自体は低めに出やすいタイプです。実際、機関投資家向けの宿泊特化型ホテルの期待利回り(NOI)は、東京で4.2%前後と過去最低水準まで低下しています(CBRE調べ、2025年)。利回りの低さは、それだけ資産価値が落ちにくく買い手がつきやすいことの裏返しでもあります。

リゾートホテル(5%前後目安)

観光地の高単価を活かせば高い収益も狙えますが、客室稼働率は約54%と業態の中でも低く、季節変動の影響を強く受けます。広大な敷地の維持管理費も重く、表面利回りが高く見えても実質では想定を下回ることがあります。高利回りをうたう物件ほど、稼働の前提とリスクを丁寧に確認することが欠かせません。

利回りを左右する3つの要因

同じタイプのホテルでも、利回りは条件次第で大きく変わります。特に影響が大きいのが「立地」「稼働率」「運営形態」の3つです。

立地:需要と地価のバランス

立地は利回りの出発点です。都心や主要駅前は地価が高いため表面利回りは低くなりがちですが、需要が安定し資産価値も維持されやすいという利点があります。反対に地方観光地は物件取得費を抑えられるため高利回りを狙いやすい一方、需要が季節や景気に左右されやすい傾向があります。「利回りの高さ」と「需要の安定性」は多くの場合トレードオフの関係にあると理解しておきましょう。

稼働率:ADR・RevPARという収益の実力

ホテルの収益力は、客室単価(ADR)と稼働率を掛け合わせたRevPAR(販売可能客室あたり売上)で測られます。稼働率が数ポイント動くだけで年間収益は大きく変わり、利回りにも直結します。物件資料の想定稼働率が業態の平均や周辺の実績と比べて過度に高く設定されていないか、必ず確認することが大切です。ホテル経営の指標についてはホテル投資と経営の基本的な指標もあわせてご覧ください。

運営形態:リース・MC・所有直営でリスクが変わる

だれがホテルを運営するかによって、オーナーが受け取る収益とリスクの大きさは変わります。賃料が固定される「リース(賃貸借)方式」は収入が安定する反面リターンの上限も抑えられ、運営成果が収益に反映される「マネジメントコントラクト(MC/運営委託)方式」は上振れも下振れもしやすくなります。自ら運営する「所有直営」は最も高い収益を狙えますが、その分リスクも大きくなります。どの形態を選ぶかで期待利回りの意味合いが変わるため、ホテルの投資形態の種類で仕組みを理解したうえで判断しましょう。

数字だけで判断しないための視点

利回りは投資判断に欠かせない指標ですが、数字の高さだけで良し悪しを決めるのは危険です。最後に、相場を正しく使いこなすための2つの視点を押さえておきましょう。

高い表面利回りは「リスクの裏返し」でもある

表面利回りが突出して高い物件は、稼働の不安定さや立地の弱さ、老朽化といったリスクを価格に織り込んでいる場合があります。利回りが高い=良い物件とは限りません。なぜその利回りになっているのかという背景まで踏み込み、実質利回りベースで採算が取れるかを冷静に見極めることが、失敗を避ける第一歩です。

利回りと「回収期間」はセットで考える

利回りはあくまで単年度の収益効率を示す指標にすぎません。投資全体の成否を見極めるには、投下した資金を何年で回収できるかという「回収期間」とセットで捉える必要があります。利回りが同じでも、修繕リスクや出口戦略まで含めると回収スピードは変わってきます。詳しくはホテル投資の回収期間で解説していますので、あわせて確認してみてください。

まとめ:相場は「目安」として使い、中身を見極める

ホテル投資の利回りは、ビジネスホテルで6〜8%、都市型で4〜6%、リゾートで5%前後が一つの目安とされます。ただし、これらは表面利回りの相場観であり、運営経費を差し引いた実質利回りは大きく下がる点を忘れてはいけません。利回りを左右する立地・稼働率・運営形態を丁寧に読み解き、回収期間まで見据えて判断することが、堅実なホテル投資への近道です。数字だけに頼らず、必要に応じて専門家にも相談しながら、ご自身のリスク許容度に合った計画を立てましょう。

今ある土地に最適な活用法は?条件から逆引きできる土地活用検索はコチラ

トランクルーム投資を詳しく確認する

今ある土地に最適な活用法は?条件から逆引きできる土地活用検索はコチラ
マンション?駐車場?トランクルーム?条件からベストな土地活用方法を探す