短期間の土地活用におすすめの方法はある?
土地活用を考える方の中には短期間だけ取り組みたいと考える方も多いのではないでしょうか。短期間での土地活用のことを暫定利用ともいいますが、あまり利益が出ないのではと心配する方も少なくありません。
この記事では、短期間での土地活用方法と注意点やメリットデメリットを紹介していきます。
短期での土地活用のメリット
短期での土地活用のメリットとしてあげられるのが以下の2つあります。
- 維持費をある程度は賄える
- 時間稼ぎができる
短期での土地活用は固定資産税や都市計画税など、維持費のある程度まかなえることができます。短期間であっても土地を放置するだけでは、費用がかかるだけですの、活用するほうが良いと分かるでしょう。
そして、短期での土地活用を考えている方の中には、資金的な問題をはじめとしてさまざまな問題によって長期の土地活用がすぐに始められないという方もいるかもしれません。
短期の土地活用を行っていれば、本格的な土地活用までの時間を有効的に活用できるので、ぜひ試してみましょう。
短期での土地活用のデメリット
短期での土地活用のデメリットについて解説していきましょう。デメリットは主に以下の2つが考えられます。
- 収益性が低い
- 良い土地活用を見つけづらい
短期での土地活用はアパート・マンション経営と比べると収益性が低くなります。固定資産税すべてを賄うことは難しく、大きく儲けるための土地活用方法ではありません。
あくまでも繋ぎのための方法として考えるのが妥当でしょう。そして、短期での土地活用で最も収益性が高いのがマンションのモデルルームですが、なかなか条件に合致した土地が見つけられません。
短期での土地活用の注意点
短期で土地活用を行う場合、どのようなことに注意しなくてはいけないかを解説していきます。
辞めたいときにすぐに辞められるかどうか
短期で土地活用を行う場合に注意しなくてはいけないのが、辞めたいとなったときにすぐに辞められるかどうかです。これを用語でいうと賃貸借契約の解約容易性とも言います。
短期での土地活用を考えている場合、借地借家法の適用がない土地活用を行う必要があるのです。
土地活用には借地と借家という2種類があります。
借地は建物所有目的で借地権を設定してしまった場合、短期で契約を終了することができなくなる契約内容が含まれます。借地権もさらに2種類に分かれており、「普通借地権」と「定期借地権」があります。
普通借地権は更新のある借地権となっており、貸し出した相手が更新し続ける限りその契約が途切れることはありません。ほぼ半永久的に土地を貸し出すことになります。
定期借地権というのは、期間を決めて契約が満了した時点で土地が戻ってきます。普通借地権とは異なり、更新などはありません。
短期の土地活用をする際には建物所有目的ではないことを意味する使用貸借が適しています。自分の辞めたいときにすぐに辞めることができる土地活用方法です。
短期で土地活用をする10の方法
ここからは、短期でのおすすめの土地活用方法を紹介していきます。収益性や初期費用なども大きく変わってくるので、自分の状況や土地に合った活用方法を探してみてくださいね。代表的なものから少し変わったものまで10種類ほど解説していきます。
1.駐車場経営
短期での土地活用の代表的な方法ともいえる駐車場経営。いつでも簡単に解約ができ、短期での土地活用の中でも収益性の高い部類に入る活用方法です。
駐車場には月極駐車場と時間貸し駐車場の種類があります。より収益性が高いのは時間貸し駐車場です。時間貸し駐車場の経営方法は、時間貸し駐車場の運営会社に土地を貸し出し、賃料収入を得ることになります。
固定資産税や都市計画税を上回る収益を上げたいのであれば、より利益を上げやすい郊外の土地がおすすめです。さらに、駐車場には「施設貸し」と「土地貸し」の2種類があります。
施設貸しというのは、アスファルト塗装をして貸し出す方法で初期費用が掛かります。土地貸しは何もせずにそのままの土地の状態で貸し出す方法です。
賃料は施設貸しの方が高くなるので、多少の初期費用に目を瞑るのであれば施設貸しのほうがおすすめ。
2.野立て看板用地
野立て看板用地は看板を立てる面積さえあれば取り組める土地活用方法です。借地借家法が適用されない賃貸に分類されます。野立て看板は郊外などでもニーズが高いのが特徴のひとつ。基本的に看板の制作費用は店舗側の負担となるため投資費用も発生することはありません。大きな収益性は期待できませんが、低リスクで始めらえる土地活用方法だといえるでしょう。
3.貸農園
短期の土地活用方法として人気がある貸し農園。郊外はもちろん、都市部でもニーズがあります。短期での土地活用方法として紹介していますが、利用者を増やすためには何年も利用することのできる貸し農園とする必要があるため、ややマッチしない部分もあります。
また、借地借用法の適用外となるためいつでも好きなタイミングで解約可能です。
4.資材置き場
木材や建設資材の置き場として活用する資材置き場。都市部よりは郊外のほうがニーズの高い土地活用方法となっています。
収益性はかなり低いためほかの最終的な手段として考えておくとよいかもしれません。こちらも借地借用法適用外のため好きなタイミングで簡単に解約できます。
5.マンションモデルルーム
短期の土地活用方法の中でも特に収益性が高いのがこちらのマンションモデルルーム。マンションモデルルームの場合は自分から働きかけるのではなく、マンションディベロッパーからオファーが送られてきてから検討するのが一般的です。
マンションの開発用地が狭い場合などに、付近の空き地所有者にオファーすることがあります。モデルルームの費用はすべてディベロッパー持ちとなりますので、初期費用は必要ありません。
ただし、マンションモデルルームは狙って取り組める土地活用方法ではなく、さまざまな条件が合致している土地でないと難しいです。オファーがあった場合には前向きに検討してみるとよいでしょう。
6.移動式販売車置き場
屋台などの移動式販売車の置き場として貸し出す土地活用方法もあります。ランチ需要の高い街であれば移動式販売車置き場のニーズが高いためおすすめです。そのため、所有している土地の立地が大切になってきます。
7.ロッカー付きバイク置き場
駐車場とは異なり、バイクを雨から守るための屋根やヘルメットを格納できるロッカーなどを設置する必要があるため、駐車場よりも初期費用はかさんでしまいます。
ロッカーや屋根があると利用者が増えやすいため、収益が見込めるようにもなるのです。駅に近い土地やワンルームマンションの近くなどはニーズが高いためおすすめ。また、借地借家法の適用外のためこちらも自分のタイミングで簡単に解約することができます。
8.自動販売機設置スペース
短期での土地活用方法には自動販売機設置スペースとして貸し出すという方法もあります。こちらは、自動販売機のメーカーが設置場所として適切な立地条件かどうかなどの判断をします。
自動販売機は人件費が相当かかってしまっているため、近年はそう簡単には設置できなくなってきているのが現状です。しかし、人通りの多い通りの土地であれば需要も高く設置してもらうことができるかもしれません。
9.移動式コインランドリー設置
ボックス型になっている移動式のコインランドリー設置もおすすめの土地活用方法の一つです。トレーラーで簡単に運んでくるだけでコインランドリーの経営ができます。
近年はスーパーの駐車場などに設置されることも多く、準備期間はほとんどいらずにすぐに始めることができるのが大きな特徴です。初期費用が1500万円~2500万円程度かかってしまうため、短期での土地活用方法にしては投資額が大きいのがデメリットにもなります。
コインランドリーの売り上げ安定までにかかる期間は約2年。維持費も相当かかってしまうので、初期費用の短期間での回収はよっぽど需要の高いエリアでないと難しいかもしれません。
10.イベントスペース
フリーマーケット会場やバーベキュー会場、グルメコンテスト会場といったイベントスペースとして貸し出すという方法もあります。一般的にはイベント会社からオファーが来ることから始まる土地活用方法。面積の広い土地や人が集まりやすい土地などの需要が高く、オファーをもらいやすい傾向にあります。
毎年行われる地域の恒例イベントなどは長年放置されている土地が選ばれやすいです。上記の条件に当てはまらなくても、イベント会社のニーズとマッチすればオファーが来ることもあります。イベントスペースとして土地活用したいのであれば、ニーズを分析することが重要です。
ここまで紹介してきたように短期間でも、土地を活用する方法があります。自身が所有している土地との相性を考えながら、土地活用をしていきましょう。




