アパート経営とマンション経営の違いとは?
土地活用の王道として人気のアパート・マンション経営ですが、ひとくくりにされることが多く、それぞれどのような違いがあるのか分かりづらいのではないでしょうか。
本記事では、アパート経営とマンション経営どちらを選べばよいか迷っている方に向けて、それぞれの違いについてお伝えしていきたいと思います。
アパート経営とマンション経営の7つの違い
アパート経営とマンション経営の違いとしては以下のようなものがあります。
- 1.投資額の違い
- 2.収入の違い
- 3.耐用年数の違い
- 4.耐震性や耐久性の違い
- 5.維持管理費の違い
- 6.建て替えのしやすさの違い
- 7.相続対策の違い
それぞれについて見ていきましょう。
1.投資額の違い
アパートとマンションを比べてみると、基本的にマンションの方が投資額が大きくなる傾向にあります。アパートは木造建築で2階建ての物件があり、3,000万円~5,000万円程度で建築できるものもありますが、マンションの場合1億円を超えるものがほとんどです。
例えば、3,000万円~5,000万円を20年~30年程度のローンで借りる場合、仮にアパート経営がうまくいかなかったとしても、ぎりぎりサラリーマンとしての収入でも返済していける可能性がある額となりやすいです。
一方、マンションで投資額が1億円を超えると、借入期間30年とできた場合でも、その毎月返済額は大きく、経営に失敗してしまうとサラリーマンとしての収入だけでは返済していくことは難しいはずです。
また、アパート・マンション経営を始めるには、最初に物件価格の2~3割程度の自己資金を集める必要があります。
アパート経営の場合は500万円~1,000万円程度あれば始められることが多いのに対し、マンション経営では2,000万円~3,000万円程度ないと始められません。
2.収入の違い
アパート経営とマンション経営の収入の違いを見てみると、基本的にはマンションの方が高い収入を得やすいといえるでしょう。
実際には物件ごとに異なりますが、アパート・マンション経営で得られる利益は利回りで考えるのが一般的です。
例えば、利回りを8%程度見込む場合、5,000万円かけたアパートだと年間の収益は400万円程度なのに対し、1億円のマンションでは年間の収益を800万円程度見込めることになります。
すでに土地を持っていて建物だけ建てるケースでは、土地の立地がよいほど高い収益を期待できます。
一方、土地を含めて購入する場合は、立地のよい物件の利回りは低くなりがちです。これは投資額の内、土地の価格が占める割合が大きくなるためです。
立地がよいと将来にわたって空室リスクを低く抑えることができますが、一方であまりに利回りが低い物件だと投資を始める意味が薄くなってしまう可能性があります。
3.耐用年数の違い
建物には構造ごとに法定耐用年数が定められており、耐用年数に応じて融資の借入期間が審査される他、毎年受けられる減価償却の額に違いがあります。
アパートは木造や鉄骨造、マンションはRC造で、アパートよりマンションの方が耐用年数を長くとることができます。耐用年数が長いと、そのぶん融資期間を長く取りやすくなるため、毎月のローン返済額を抑えることができ、キャッシュフローを向上させやすいです。
これは、将来売却することを考えても大きなメリットです。減価償却についても、耐用年数が長いと、長く減価償却の効果を受けられます。
一方、耐用年数が短いと減価償却できる期間が短くなるとはいえ、毎年の減価償却費が大きくなります。これを利用してアパート経営を効果的に行う投資家もいます。
アパート経営、マンション経営ともにどれだけ税金を安く抑えられるかは重要なポイントとなるため、耐用年数と減価償却についてよく理解しておくことが大切です。
4.耐震性や耐久性の違い
耐震性や耐久性については、基本的にマンションの方が高いと言えるのですが、1981年6月以降に建てられた新耐震基準のものであればアパートであってもマンションであっても大きな違いはありません。
ただし、入居者としてはやはり見た目的にも頑丈そうなマンションの方が耐震性が高そうだと思われやすい傾向があります。最近では災害に対して敏感な方も増えてきているので、耐震性や耐久性を備えた建物を建てることを意識したほうがよいでしょう。
5.維持管理費の違い
維持管理費については、基本的にはアパートよりマンションの方が高くなります。特にマンションでエレベーターがある場合は、保守点検費用が加わりより維持管理費のコストが上がってしまいます。
また、共用部分がアパートよりマンションの方が充実していることが多く、共用部分の維持管理のための費用が高くなる傾向にあります。ただし、木造のアパートとRC造のマンションを比べると、外壁の劣化の早さ等でアパートの方が早い段階でメンテナンスの必要性が生じてしまいます。建築の構法や施設により、維持費がことなるのでこの点は注意しましょう。
6.建て替えのしやすさの違い
建て替えのしやすさでいうと、アパートの方が建て替えしやすいといえます。というのも、いざアパートやマンションを建て替えしようとしたときに、建物内にまだ入居者がいる場合には、大家さんの都合で一方的に退去してもらうことはできません。
大家さん側から入居者に退去してもらうには、「耐震性が低いから建て替えしたい」といった製造な事由が必要で、かつ半年以上前に告知しなければなりません。
このような場合で退去してもらう場合には、大家さんから各入居者に対して立退料を支払うのが一般的です。中には退去のお願いをしても退去してくれない人もいるため、こうした人の対応に苦慮することもあります。このため、戸数の多いマンションより、戸数の少ないアパートの方が退去を進めやすく、建て替えしやすいのです。
また、アパートとマンションを比べると、マンションの方が解体費用が高くなることも建て替えのしにくさの一つの理由となります。とはいえ、土地活用でアパートやマンションの新築から考えているのであれば、先述の通りマンションの方が法定耐用年数が長く、特別な事情がない場合には、マンションの方が解体までの年数は長くとりやすいという点にも着目したうえで、どちらを選ぶか決めるとよいでしょう。
7.相続対策の違い
相続対策については、基本的にはアパートもマンションも同じです。なお、アパートやマンションは相続税路線価で価値を算出するためそもそも評価が低く、また貸家建付地としての評価を受けられたり、小規模宅地等の特例の適用を受けられたりと、大きな節税効果を期待できます。
こうしたことを考えると、投資額の小さなアパートを建てるより、投資額の大きなマンションを建てる方がより高い節税効果を期待できると考えることもできます。
例えば、相続税路線価や貸家建付地としての評価、小規模宅地等の特定の適用を受けることにより、時価の30%程度まで評価を抑えられるのだとすると、1億円かけて建てたマンションの価値を3,000万円とすることができ、7,000万円分の相続税節税効果となります。
一方、5,000万円のアパートの場合、同様の効果を得られたとしてもその価値は1,500万円で、相続税節税効果は3,500万円に留まります。もちろん、率は同じなのですが、こうした違いがあることを理解しておきましょう。




