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所有者不明土地とは?

近年増えている所有者不明の土地

所有者不明土地とは、その名の通り所有者がわからない土地のこと。現在の日本では土地は所有した際に「登記」(第三者が確認できる帳簿に記載する手続き)するルールが設けられているため通常は所有者不明になることはありません。しかし、所有者が亡くなってしまい相続するなど専門家を介さずに土地の受け渡しが発生した場合、登記を忘れてそのまま所有者不明となってしまうことがあるようです。

九州より広い所有者不明の土地

一般財団法人 国土計画協会が2017年12月に発表した調査結果によると、日本全国の所有者不明土地は推定410万ヘクタール。全体の20%の土地に匹敵し、九州を覆ってしまうほどの広さがあります。このまま対策をせずに放置してしまうと2040年には北海道の広さ(780万ヘクタール)ほどまで拡大してしまうかもしれません。

参考:【pdf】最終報告-所有者不明土地問題研究会

ここまで増えている原因として考えられることは、「地方から都市部への人口移動の増加」「人口減少・高齢化に伴う土地へのニーズの減少」。土地を所有することのメリットを感じていない人が増加し、放置されている土地があふれています。

登記には費用がかかるのですが金額は土地によって異なり、場合によっては10万円以上かかることもあります。活用できる土地であれば受け取り手も見つかりますが、人気のない土地だとただお金がかかるだけになってしまっているのが現状です。

所有者不明の土地によるトラブル

ニーズがないなら放置しておけば良いのではないかと思うかもしれませんが、所有者不明の土地をめぐるトラブルは少なくありません。対策を求める声が高まっています。いくつかのトラブル事例を見てみましょう。

長年放置され老朽化が激しいビル

市の中心地に建てられた3階建てのビル。外壁が剥がれ落ちるほど老朽化が進んでいたため危険だと感じた近隣の人から通報があり、調べたところ土地も建物も所有者がわからないことが判明しました。応急処置として役所がネットを設置しましたが、これは国民の税金によってまかなわれているもの。危険な空家に対する苦情は所有者不明の土地に対するものであることが多く、切迫しないと役所が手を出せなかったり税金を使って処置が行なわれていることから問題視されています。

住宅密集地のど真ん中にある土地

所有者不明の土地があるために道路が広げられないトラブルの事例です。住宅密集地で道が狭く、消防車や救急車が通れないことから道路の幅を広げる工事が行なわれましたが、所有者不明の土地があったため一部だけ工事を行なえませんでした。以前に火災が発生した際、消防車が通れず救助が間に合わなかったことがあり…。近隣住民が不安を抱えています。

政府による所有者不明土地への対処

上記のような問題を踏まえ、法務省・国土交通省が所管する「所有者不明土地の利用の円滑化に関する特別措置法」が2018年11月15日に施行されました。法務省関連の制度として、『登記名義人の死亡後から長い間、相続登記がなされていない土地は登記官が法定相続人などを探し、登記手続きを直接促す』ことを特例として認めるものです。

参考:所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法について-法務局

また、一定の条件を満たしていれば期間は限定されるものの、所有者不明土地を公益的な事業に利用できる制度が制定されています。公益的な事業とは、公園・コンサートホール・教育施設など。今まで放置されていた所有者不明の土地がどのように活用されるのか、注目が集まります。

土地の活用方法はさまざまあり今後の拡大に期待

これまでどうしようもできなかった所有者不明の土地。しかし、トラブル増加を背景に政府が積極的に動き始めている昨今、今後は土地を有効に活用していく方向へと対策がとられていくと考えられるでしょう。

今は公益性のある公共施設の利用だけが許可されている状態ですが、ゆくゆくは民間の企業施設や商業施設、住宅としても利用できるようになるかもしれません。余った土地を活用した投資のバリエーションも増えているため、活用方法のさらなる拡大からも目が離せませんね。

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